ビタミンCは最も必要量の多いビタミンで、比較的効果を実感しやすい栄養素です。
そんなビタミンについてまとめました。
摂取量
ビタミンCの厚生労働省の食事摂取基準は100mg/日です。
しかし、これは壊血病という病気にならない最低限の量。
そのため、効果を感じるには1000mg〜2000mgの摂取が推奨されています。
ビタミンCの消費量が多い人は、意識的に摂取することを推奨します。
主に消費される場面としては以下が挙げられます。
・ストレスを感じた時
・風邪を引いた時
・喫煙時
・激しい運動をした時
・飲酒
また、効果を体感するには、2000mg以上摂った方が良いという考えもあります。中には10g摂るような人もいます。
大量に摂取しても不要な分は尿として排出されるので、大量摂取による副作用は考えにくいです。
しかし、過剰摂取により下痢、腹痛、腎結石、鉄の過剰吸収による問題などのリスクがあるという意見もあり、今でも意見が分かれています。
これらを考慮すると、最低100mgは摂取したうえで、後述する必要な効果を感じるまで摂取量を増やしていき、場合によっては2000mg〜3000mg摂るというのが無難でしょう。
ちなみに、意識的に野菜や、果物を摂取していない方は100mgも摂取できていない方が多いです。
3000mg摂取しても効果を体感できない場合は、ビタミンCの摂取量を増やす前に、他の原因を探ることをおすすめします。
摂取方法
100mg程度であれば食事からの摂取は可能ですが、1000mg以上摂ろうとするとサプリからの摂取が必須です。
1000mgは、ビタミンCの豊富な野菜の1つであるブロッコリーで約1kg、レモンだと約50個分に相当します。
ビタミンCは一度に多くを吸収できないので、200~500mgを1回の摂取量とし、3~6時間おきに摂取するようにしてください。
こまめの摂取が難しい場合は、食後に摂取をすることで吸収を緩やかにし、1度に摂取して吸収できる量が増える傾向があります。
ビタミンCは水溶性ビタミンです。
そのため、水に溶けて流れやすい性質があります。食材から摂取する場合は、以下の点に注意してください。
・素早く手洗いする
・茹でる場合は、茹で汁も摂取できるような調理方法にする(シチュー、味噌汁など)
また、個人差がありますが、多少の利尿作用があるので人によっては注意が必要です。
ビタミンCの作用
以下にビタミンCの主な作用をまとめます。当てはまる症状がある場合は、先述した摂取方法を守った上で摂取量を増やしてください。
また、効果を体感するには、記載していない他の栄養素も必ず必要になります。すべての栄養をバランス良く摂ることを心がけてください。
アドレナリン系の合成
アドレナリン系の合成に必要な補酵素として働きます。
アドレナリンが欠乏すると主に以下の症状が出ます。
・気力や意欲の低下
・無関心
・集中力や注意力の低下
他にもアドレナリン系の合成に必要で不足しやすい栄養素として、
タンパク質、ビタミンB6、鉄があります。
コラーゲンの合成
コラーゲンの合成に必要な補酵素として働きます。
コラーゲンが欠乏すると主に以下の症状が出ます。
・アザができやすい、傷の治りが悪い
・肌のたるみ、しわ、シミ
・関節の痛み
・脱毛
・爪が割れやすい
・歯がぐらつく
他にもアドレナリン系の合成に必要で不足しやすい栄養素として、
鉄、タンパク質があります。
抗酸化作用
喫煙・飲酒・生活習慣の乱れ・激しい運動・ストレスなどにより活性酸素が生み出されます。
活性酸素が過度に分泌されると主に以下の症状が出ます。
・疲労感
・肌の老化
・免疫力の低下
・集中力や記憶力の低下
そして、活性酸素が慢性的に過度に分泌されると酸化ストレスという状態になり、生活習慣病や、がん、リウマチなどを発症するリスクが上がります。
これら以外にも活性酸素は、身体に悪い作用を多々引き起こします。
ビタミンCには強い抗酸化力があり、活性酸素を無害化したり、ビタミンEをはじめとする他の抗酸化作用を持つ物質のサポートする働きを持っています。そのため、ビタミンEと合わせて摂取することでより強力な抗酸化作用が期待できます。
しかし、抗酸化を狙うのであれば生活習慣の改善が1番効果的です。あくまでビタミンCは補助的な役割として考えてください。
免疫力の維持
インターフェロンというタンパク質を活性化させることで、マクロファージ・リンパ球の働きを高め、免疫機能を維持できます。
風邪、感染症にかかりやすい方に有効です。
メラニン色素の抑制
しみ、くすみの元になるメラニンの生成を抑える作用があります。
紫外線対策も同時に行うことで、より効果を得やすいです。
植物性の鉄の吸収率を上げる
ビタミンCは植物性の鉄の吸収率を上げます。
鉄には2種類あり、レバーなどに含まれる動物性の鉄をヘム鉄。ほうれん草などに含まれる植物性の鉄を非ヘム鉄といいます。そして、サプリに含まれる鉄は製造コスト等の観点から、非ヘム鉄であることが多いです。
ヘム鉄は吸収率が10~20%であるのに対して、非ヘム鉄は吸収率が2~5%ほどしかありません。
そんな非ヘム鉄の吸収率を上げてくれる役割がビタミンCにはあります。
貧血等の理由から非ヘム鉄のサプリを摂取している方はビタミンCの摂取がおすすめです。
まとめ
ビタミンCには多くのポジティブな作用があり、過剰摂取のリスクも低いと考えられているため、身体に不調のある方は多めに摂取してみる価値があります。
また、サプリも比較的安価で手に入るのでまずは試しに摂取してみてはいかがでしょうか。